マカオカジノ収益が急成長 - 2026年Q1のGGRは前年比14%増の81.7億ドル
マカオのカジノ総収益が2026年Q1に前年比14%増を記録。アナリスト予想を上回る成長ペースで、通年8%成長の見通しも。最新データを解説。
カジノ・ギャンブルマカオのカジノ収益が力強い成長を継続
世界最大のカジノ市場であるマカオが、2026年も力強い成長を続けている。第1四半期(1-3月)のグロスゲーミングレベニュー(GGR)は658.7億パタカ(約81.7億ドル)を記録し、前年同期比14%の増加となった。これはコロナ禍からの回復後、日次ベースのランレートで最も好調な四半期となった。
さらに、4月までの累計ではGGRが約106億ドルに達し、前年同期比12.1%のプラスで推移している。4月単月では前年同期比5.5%の成長を記録した。
アナリスト予想を上回るペース
複数の投資銀行やリサーチ機関が、マカオの2026年通年のGGR見通しを引き上げている。
| 機関 | 通年GGR予想 | 成長率予想 |
|---|---|---|
| CBRE Equity Research | - | 前年比8.3% |
| CLSA | 2,584億パタカ(約323億ドル) | 前年比5% |
| マカオ政府 | 2,360億パタカ(約294億ドル) | - |
| CreditSights | - | 低~中一桁成長 |
注目すべきはCBRE Equity Researchの見通しで、市場コンセンサスの6%成長を上回る8.3%の成長を予測している。Q1の好調な実績を踏まえると、この強気な見方にも根拠があると言える。
一方、マカオ政府自身の予測は2,360億パタカ(約294億ドル)と、民間アナリストの予想よりもやや保守的な数字を置いている。
ゲーミング税収も堅調
マカオのカジノ産業は同地域の財政に大きく貢献している。2026年初頭時点でゲーミング税収は43億ドルに達しており、マカオ特別行政区の歳入の主要な柱となっている。
マカオではGGRに対して39%の実効税率が課されており、カジノ収益の成長は直接的に政府の財政状況を改善する構造となっている。
成長ドライバー
2026年のマカオの成長を支えている主な要因は以下の通りだ。
中国本土からの訪問者増加 - コロナ禍で激減した中国本土からの旅行者が回復を続けており、特にVIPセグメントと並んでマス(一般客)セグメントの成長が顕著だ。マカオ政府と中国当局によるビザ政策の緩和も追い風となっている。
インフラ整備 - マカオと中国本土を結ぶ交通インフラの改善により、日帰り客を含むアクセス性が向上している。
非ゲーミング収益の拡大 - 6つのカジノコンセッション(ライセンス)保有企業は、2022年の新コンセッション契約に基づき、エンターテインメントやMICE(会議、インセンティブ旅行、会議、展示会)分野への投資を加速している。
下半期への懸念
ただし、楽観一色ではない。複数のアナリストが、5月以降は前年同期比での比較が厳しくなることから、成長率の鈍化を予測している。2025年の後半はコロナ回復のベース効果が本格化した時期であり、2026年後半はその高い基準との比較になるためだ。
また、EBITDAの成長がGGRの成長に追いついていないとの指摘もある。Citigroupのレポートによれば、Q1のゲーミングEBITDA成長率はGGR成長率を下回っており、マージン面での圧力が続いている。これはGGRミックスの変化、特にマージンの低いマスセグメントの比率上昇が一因とされている。
日本のIR計画との関連
マカオの好調なパフォーマンスは、日本の統合型リゾート(IR)計画にとっても一つの参考指標となる。大阪のIR(2030年秋開業予定)が実現すれば、アジアのゲーミング市場に新たなプレイヤーが加わることになる。
マカオの事例は、アジア圏におけるカジノ産業のポテンシャルの高さを示すと同時に、規制環境やマクロ経済の変化がいかに業績に影響を与えるかという教訓も提供している。